このセッションは、クライアントの方のお話を傾聴を基盤とした姿勢でセラピストが受け止めながら、それに独自のリフレクティング(応答)を交えていくことで、対話を通した感情の浄化と内的気づきを促進します。

このセッション誕生の背景には、従来型のカウンセリングに対して「話すだけでは何も変わらない」と感じる人が多い背景には何があるのか?をセラピストとして私自身が長年研究してきたことが背景にあります。

1. 具体的な変化や手応えが得られにくい

多くのカウンセリングでは、クライアントの話を丁寧に聴く「傾聴」が基本となっています。
これはとても大切な技法であり、信頼関係を築く上で不可欠ですが、
クライアントの側からすると「ただ聞かれて終わった」「何かが進んだ感じがしない」と感じてしまうことがあります。

特に、問題が慢性化していたり、長年繰り返されてきたパターンに苦しんでいる人にとっては
「話を聞いてもらうだけでは足りない」という感覚が生まれがちです。

2. 思考と感情の整理だけでは深層の変化が起きにくい

「言語化すること自体に意味がある」と言われるように、
話すことで気づきが生まれることは確かにあります。

しかし、それだけでは本質的な変化、すなわち
「同じ問題が繰り返されなくなる」「日常の反応が変わる」といった深層レベルの変容には至らないことも多いです。

たとえば、

  • 頭では「もう気にしなくていい」と思っているのに、心がザワザワする
  • 過去の出来事を振り返って「整理できた」と思っても、似たような場面で同じような反応が起きる

こういったケースでは、表面的な理解と深層での変化がずれているため、
「理解はしたけれど、変化はしていない」という感覚になります。

3. 対話の中に“新しい視点”がない

ただ感情を吐き出すだけでは、一時的なスッキリ感はあっても、
人生の中での行動や選択はほとんど変わりません。

本当に変化を起こすには、

  • 無意識下の思い込みや自分を縛っている信念・価値観を発見する
  • これまでと異なる視点に気づく
  • 日常の中で出てくる心の反応を客観的に見つめる

といった内省が必要不可欠です。

このような観点からの“視点の転換”が対話の中から生まれないと、
多く人は「結局、話してスッキリしただけで終わってしまった」と感じやすくなります。

だからこそ、必要なのは「話すだけで終わらない対話

本質的な癒しや変容には、

  • 安心して自分の考えや感情について話せること
  • 自分の思考や感情の癖を深く見つめられること
  • 内側から湧いてくる新しい視点に触れられること

これらの要素が必要です。

「話すこと」はその出発点に過ぎません。
本当に変化が起きるのは、そのあとに続く“自分の内面との対話”に他なりません。

このセッションは、オープンダイアローグの手法の中でも重要な「リフレクティング(応答的内省)」を
組み込んだものです。

あなたの語った言葉や、沈黙の中にある思い、語りきれなかった背景に対して、
セラピスト側がリフレクションを行い、その場で静かに声に出して返していきます。

これは「アドバイス」ではなく、
あなたの言葉に耳を傾けた他者(セラピスト)が、
「何がどう響いたのか」「どんな問いが浮かんだのか」「どんな背景が感じられたのか」を誠実にシェアする試みです。

そのプロセスをクライアント側が聴くことで、あなたは自分の話を
第三者的な立場から聴き直すことができます。

第三者から自分の話を聞くことで、自然と以下のような変化が起こり始めます。

・自分の思考パターンや感情の癖に気づく

・第三者の立場から話を聞くことで、自分が見えていなかった前提が浮かび上がる

・頭ではなく、心から「腑に落ちる」気づきが起きる

このセッションで起こる変容

・自分の語りを、丁寧に見つめ直す時間を通して客観的に自分の姿に気づくことができる

・ただ話すだけでは届かない、“内なる対話”を通して自分の本当の気持ちに気づくことができる

・「外側に正解を探す」のではなく「自分の中にある答え」に触れる体験が起きる

自分の思考を観察する機会を通して、自分を縛る考えから自由になれる

・安心して語り、安心して気づける“静かな発見の場”を持つことができる

このセッションには、
深い傾聴と応答から生まれる「場の力」があります。

「変わりたい」「解放されたい」と思っても、
どこから手をつけていいかわからない──

そんなときこそ、自由に思うがままに自分のことについて話してみませんか?
深い感情の浄化と共に静かな気づきが自分の内側から湧き起こってくるはずです。

セッションの流れ(90分)

STEP
ウォーミングアップ(10分ほど)

まずは軽く近況を伺いながら、リラックスしてセッションに入る準備を整えます。
いきなり深いテーマに入るのではなく、今この瞬間の心身の状態に丁寧に意識を向け、
自由に話せる心の姿勢へと移行できるようサポートします。

STEP
対話とリフレクティング(60分ほど)

お話したいテーマや、今抱えている心の重荷について自由に語っていただく時間です。
「正解を見つけなければならない」「きちんと話さなければならない」といったプレッシャーは不要です。
どんな内容でも大丈夫。話しながら、思考や感情の流れをそのまま感じてみてください。お話の流れの中で適宜、セラピストがリフレクティングを挟みながら、あなたがより深く自己の内面と向き合えるようサポートします。

リフレクティングはアドバイスでもなければ分析でもなく、あなたの語りがどのように響いたかを言葉にして返す行為です。語りの背後にあるもの、言葉にならなかった思い、浮かび上がってきた問いや気づき──それらをセラピストの視点から静かに共有することで、あなた自身の中に新しい視点や理解が自然に立ち上がってきます。

STEP
グラウンディング(10分ほど)

「どんなことが心に残ったか」「どんな気づきがあったか」などを自由に話していただいた上で
セッションを内面に統合していく時間です。セラピストの誘導で静かに瞑想します。
ここでは、不思議と以前とは違う角度から、自分自身を見つめ直すことができる人も多くいます。

STEP
感想のシェア(5分ほど)

セッションの感想をシェアしていただき、セッションの余韻を大切にしつつ、ゆっくりと日常へと戻っていきます。
必要があれば、今後のテーマの方向性について軽く触れることも可能です。
セッション中に起きた気づきや変化は、その後の日常の中でじわじわと波紋のように広がっていきます。
そのため、セッション後はできるだけ静かな時間を確保し、心の余韻を感じることをおすすめしています。

時間1回90分
回数1回〜無制限
料金¥16,000(税込)/回